改めて学ぶ「ファンド・オブ・ファンズ」のメリット・デメリットとは
投資信託には、購入時期に関する分類(単位型、追加型)、投資対象資産による分類(株式、債券など)、投資対象地域(国内、海外など)による分類がありますが、投資形態による分類として「ファンド・オブ・ファンズ」というものがあります。
今回は、「ファンド・オブ・ファンズ」のメリット・デメリットについて解説します。
「ファンド・オブ・ファンズ」とは?
ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託に投資するという種類の投資信託です。
一般的な投資信託は、投資家から集めたお金を株式や債券などに投資し、その運用収益を投資家に還元するしくみですが、ファンド・オブ・ファンズは、株式や債券に投資するのではなく、複数の投資信託に投資するのが特徴です。
株式などに投資するのと同じように、良い投資信託に投資したいというニーズもあることから、投資信託選びをファンドマネジャーに任せるというのがファンド・オブ・ファンズです。
「ファンド・オブ・ファンズ」のメリット
(1)高い分散効果
投資をする上で重要な要素として「分散投資」というのがあります。たとえば、Aという株式にだけ投資していた場合、A株の株価が下落すると損失が発生してしまいます。
そのようなリスクを回避するためには、A株だけでなく、B株、C株というように分散して投資する必要があります。そうすれば、A株の株価が下落しても、B株、C株の株価が上昇していれば、リスクをヘッジすることができるからです。
これが「分散投資」の考え方です。
株式や債券などの個別の金融資産を対象とする投資信託の場合でも、当然のことながら分散投資をしますが、その組み合わせはそのファンド固有のものになります。
それに対し、ファンド・オブ・ファンズは、複数の投資信託に投資するので、投資対象の運用(組み合わせ)についても分散することができるというメリットがあります。
つまり、Aという投信信託の運用が失敗しても、Bという投資信託の運用が成功していれば、損失の可能性を軽減できるということです。
(2)高い運用収益が得られる可能性がある
投資信託の中には高い運用収益を上げるものもありますが、たくさんの投資信託がある中でそれを探し出すことは容易ではありません。
金融のプロに投資信託を選んでもらい、かつ、複数の投資信託に投資することで、高い運用収益の結果が得られる可能性があります。
たとえば、株式運用に強い投資信託と債券運用を得意とする投資信託を組み合わせることで運用の幅を広げることができるのも大きなメリットです。
「ファンド・オブ・ファンズ」のデメリット
(1)コストが高い
投資信託は運用コストが掛かりますが、ファンド・オブ・ファンズは複数の投資信託に投資するので、投資対象が多くなる分運用コストも高くなります。
ファンド・オブ・ファンズに対する信託報酬だけでなく、投資対象である投信信託の信託報酬等も払わなければならないため二重のコストが掛かるというデメリットがあります。
(2)運用内容が見えにくい
投資は、利益だけでなく、損失も生じることがあるので、何に投資していてどのようなリスクがあるのかを把握しておくことは非常に重要です。
ところが、ファンド・オブ・ファンズの場合、複数の投資信託に投資するため、どのような投資対象に投資しているのかが見えにくいというデメリットがあります。
まとめ
このように、ファンド・オブ・ファンズにはメリットとデメリットがありますので、メリットとデメリットを十分理解した上で、投資するようにしてください。ファンド・オブ・ファンズはコストも高くなる傾向があるので、投資をする場合には、その点を意識して運用収益が得られるのか慎重に検討する必要があります。