2024年に制度終了を迎える「ジュニアNISA」注意点を改めて整理する
2023年度末でジュニアNISAが制度終了となりますが、ジュニアNISAの非課税枠を少しでも多く活用しようと、駆け込み利用する人が増えているようです。
三種類あるNISAの中でもマイナーなジュニアNISAがなぜここにきて注目を集めているのでしょうか?
今一度、ジュニアNISAの特長と注意点を整理してみましょう。
ジュニアNISAについて改めておさらい
ジュニアNISAは他のNISAと同様、NISA口座で運用した際に発生した売買益や分配金、配当金などには税金がかからない制度です。
NISAは、日本に住んでいる20歳以上の人なら誰でも口座開設ができる一般NISAと、つみたてNISAが良く知られていますが、未成年向けのジュニアNISAも根強い人気があります。
金融庁の調査によると、ジュニアNISAの2021年9月末時点での開設口座数は6月末時点より総数で12.9%。
2023年に一般NISAが終了し新NISAとなり、同じタイミングでジュニアNISAも終了するため、駆け込みで加入を検討する人が増えているようです。
出典:金融庁
NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について2021年9月末時点 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20211224.html
ジュニアNISAを他のNISAと比較
一般NISAとつみたてNISA、ジュニアNISAの違いをまとめてみました。
ジュニアNISAの仕組みは非課税投資枠が異なる点を除いては、一般NISAと似ていますが、最大の特長は対象者が未成年(0~19歳)であることと、子ども名義の口座で作成をして、両親や祖父母など2親等内の親族が代わりに運用できるという点です。
なお、2022年4月より成人年齢が引き下げになることから、2023年は0~17歳が加入対象となります。2023年度は18歳以降の人が一般NISAに加入できます。
ジュニアNISAのポイント
ジュニアNISAを活用すれば、子どもや孫の教育費など、子どもの将来のライフイベントに向けて運用しながら効率的に準備をすることができるうえ、毎年80万円の非課税投資枠も活用できます。
しかし、ジュニアNISAは2023年末で終了してしまいます。
2022年のうちに始めれば、非課税投資枠は2022年分の80万円と、2023年の80万円の合計160万円使えますが、2023年から始めると80万円しか非課税枠が使えません。
ジュニアNISAを検討している人はなるべく早めにスタートすることがおすすめです。
ジュニアNISA制度期間内に成人になった場合
ジュニアNISA制度期間内に成人になった場合は、成人になった年の1月1日に自動的に一般NISA口座またはつみたてNISA口座が開設されます(選択可能)。
なお、一般NISA口座を選択した場合は、ジュニアNISAの金融商品を一般NISA口座に移すことが可能です。
ジュニアNISA制度終了時点で18歳になっていない人の場合
また、ジュニアNISA制度終了時点(2023年)で18歳になっていない人は、それまで運用した金融商品を「継続管理勘定」に移管して、18歳になるまで非課税で金融商品を運用できます。
ジュニアNISAのデメリット
ジュニアNISAの主旨は進学や就職など、子どもの将来に向けての資産形成であることから、18歳まで払い出し制限を設けています。
災害などのやむを得ない場合を除き、18歳未満で払い出しをした場合は、ジュニアNISA口座内で生じた過去の利益にさかのぼって課税されるため注意が必要です。
まとめ
ジュニアNISAは2023年末で終了となり、それ以降は新NISAとつみたてNISAの2つのNISAのみになります。
お子さまがいる人は、2024年以降、1人あたり年間80万円の非課税投資枠を失ってしまうので、ジュニアNISAを検討中の人は早めにスタートをすることをおすすめします。