話題の「メタバース」関連銘柄を徹底解説する
メタバースという言葉をよく聞くと感じている方は多いのではないでしょうか?
メタバースの市場規模は910兆円といわれており、すでに関連銘柄は注目が集まっています。この記事では、メタバースの概要、および代表的なメタバース関連銘柄について解説しています。
メタバースとは実際に活動できる仮想空間のこと
メタバースとは「高次の、超越した」という意味を表す「meta(メタ))」と、「宇宙」という意味を表す「universe(ユニバース))」を組み合わせた造語で、アバター※1)を通じて実際に人が活動できる仮想空間のことをいいます。
従来の仮想空間は、仮想現実を体験するのは自分だけでした。しかし、メタバースでは同一の仮想空間を複数で共有できる点が特徴です。メタバースでは、仮想空間の中でアバターを通じて複数人で特定のカフェに集まって話ができたり、学校で授業をうけたり、会議をしたり、物を購入したりすることが可能になります。
※1)アバター・・・「化身」という意味があり、インターネット上で自分の分身として表示されるキャラクターのこと
メタバースは遠い未来の話ではなく、Epic Games社の「Fortnite」や任天堂の「あつまれ どうぶつの森」など、その前身となるサービスはすでに存在します。
メタバースがなぜ注目されているのか?
メタバースが注目されているのは、2021年10月28日に、フェイスブック社CEOマーク・ザッカーバーグ氏は同日付で社名を「Meta(メタ)」に変更し、メタバース事業に注力していくことを宣言したことや、11月2日にマイクロソフト社がビデオ会議ツール「Teams」をメタバース対応とすることを発表したことなどが背景にあります。
このようにアメリカの大企業2社が立て続けにメタバースへの事業への参入意欲を示したことから、メタバース事業は一気に注目を集めるようになったのです。
メタバースにはどのような技術が使われているのか?
メタバースが可能になった理由として、以下の3つがあげられます。
・コミュニケーションのデジタル化
・VR技術の発達
・NFT技術の発達
それぞれ詳しく解説します。
コミュニケーションのデジタル化
新型コロナウィルスの影響により、外出が制限され、会議やセミナー、イベントなどがオンラインで開催されるようになりました。より現実に近い会議やセミナー、イベントが開催できるものとして、メタバースに注目が高まっています。
仮想現実(VR)技術の発達
CGや360度の画像を、自分の首を動かせば見渡せるVRゴーグルの機能が発達しているほか、VR向けに提供されているコンテンツ自体も豊富、かつ描写性能が良くなっています。
NFT技術の発達
NFT (Non Fungible Token(非代替性トークン))とは、デジタル上の資産に所有権を付加できる技術のことです。NFT技術によって、仮想空間にあるアイコンやアイテムなどを売却して、実際にユーザーの収益とすることができます。
メタバースの市場規模は、約910兆円といわれているため、メタバースのプラットフォームを提供する企業や、メタバースに関連する技術をもつ銘柄は今後、株価が高まっていくと予想されます。
メタバースの関連銘柄は?
メタバースの関連銘柄を以下5つ紹介します。カッコ内は銘柄コードまたはティッカーシンボルです。
Meta(メタ)(FB(12月1日よりMVRSに変更))
メタバースの火付け役となった元フェイスブック社です。同社CEOマーク・ザッカーバーグ氏は、「数年内に当社はSNSからメタバースへの企業に変わると宣言し、今後も2年間で約5,000万ドルを投資すると発表。すでにビジネス会議用ソフト「Horizon Workrooms」を公開するなど、メタバース事業において、やはり同社は一歩先行しています。
NVIDIA(エヌビディア)(NVDA)
NVIDIAはアメリカの大手半導体メーカーです。メタバースのように複数のユーザーが同じ仮想空間でリアルタイムに活動できるのは、半導体の技術があるからこそです。Roundhill Ball Metaverse ETFというメタバースのテーマ型投資がありますが、その組入れ銘柄の構成比の1位となっているのがこのNVIDIAです。
グリー(3632)
ソーシャルゲームのプラットフォームを提供するグリーは、100%子会社の「REALITY」を通じてスマホむけにバーチャルライブ配信アプリの提供や、アバターを通じたコミュニケーション体験などを提供しています。2021年8月にメタバース事業に参入し、今後2,3年で100億円規模の投資を行っていくと発表。すでに、メタバース事業の基盤も備わっており、注目の銘柄です。
シャノン(3976)
マーケティングに関連するコンサルティングサービスなどを提供する、シャノンの子会社である株式会社ジクウは、新規顧客獲得の場として、バーチャル展示会を実現するサービスZIKUの提供を始めました。
来場者は仮想空間で展示会場を見学。企業の説明員と音声で会話することもできます。
ソニー(6758)
日本を代表する電気総合メーカーですが、パソコン上でゲームストアを運営するEpic gamesにこれまで500億円近い投資をしていることや、Playステーション5向けの次世代ヘッドセットを投入予定としているなど、将来的にメタバースをにらんだ動きが見られます。
シーズメン(3083)
主にカジュアルウェアを扱う小売店です。同社は、2021年10月にメタバースファッション事業に進出を発表しました。アバターの着ている服を、コスプレではない普段使いできる洋服として販売することで、プレイヤーとアバターが同一のアイデンティティを持つという価値観を提供。あらたな若年層の獲得を進めています。
まとめ
フェイスブック社がメタバースに注力するという発表した後、多くの関連銘柄が敏感に反応しました。
しかし、メタバース事業はまだ道半ば。ザッカーバーグ氏もまだ今後10年は収益を生まないだろうと述べています。
メタバース関連銘柄は、情報にはアンテナを高くしつつも、長期的な視点で投資を検討していくことが必要です。