米国市場で再び注目を集める「ヘッジファンド」 代表ファンドを一挙紹介
個人投資家や機関投資家などから莫大な資金を集め、独自の手法によって運用を行って収益を上げ続けるのがヘッジファンドです。
長期的な好景気からコロナウィルス蔓延による経済の停滞と、金余りという世界的な状況のなか、改めてヘッジファンドへの注目が集まっています。
世界を代表する5つのヘッジファンドについての基本的な情報を整理しながら、投資戦略や近年のトレンドなどをご紹介します。
ブリッジウォーターアソシエイツ
ブリオ氏が率いるブリッジウォーター社は1975年に創業し、世界を代表するヘッジファンドです。
ピュアアルファとオールウェザーの2つの戦略を持ったファンドを主力としており、機関投資などの大口投資家からの資産の運用を行っています。
最近の話題としては、コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響を受け、ピュアアルファの運用で18%を超える損失を出したことを公表しました。
ルネッサンステクノロジーズ
膨大な統計データと確率の分析によって「世界で最も成功したヘッジファンド」とも評されるのがルネッサンステクノロジーズです。
同社の代名詞とも言えるのがメダリオンファンドで、投資の世界で活躍している金融のプロたちの資産を預かって、運用を行っていることで知られます。
個人投資家の間でもシステムトレードと呼ばれるようなコンピューター解析による売買が積極的に行われていますが、ルネッサンステクノロジーズはその頂点だと言えるでしょう。
マングループ
ここまでのファンドは2社ともにアメリカ拠点でしたが、マングループはイギリスで設立されたファンドです。創業は1783年で、238年もの歴史があります。
アメリカなどを中心として様々な金融グループを買収するなど積極展開をしており、全世界の従業員は1000人を超えている大所帯です。
近年のマングループの話題としては、中国国内での個人資産の運用に関する事業許可を受けていることで、アジアにおける事業展開も注目されています。
ミレニアムマネジメント
アジア展開という点では、ミレニアムマネジメントも積極的です。
本社はニューヨークで、日本には東京支社、その他のアジア地域ではシンガポールと香港にも支社があります。
ミレニアムマネジメントの運用戦略の特徴としては、小さなチームを数多く組織して分散して運用を行っている点があります。現在公表されている限りでも200チームが存在し、それぞれの戦略でファンド運用を行っています。
エリオットマネジメント
日本でのヘッジファンドの印象に最も近いのは、エリオットマネジメントのようないわゆる「ハゲタカファンド」と呼ばれるようなファンドかもしれません。
破綻しそうな国家が発行する国債を買い占め、債務不履行を法廷で徹底的に追及して莫大な収益を得るような運用モデルを作り上げています。
エリオットが標的とした国家や企業は数多くありますが、日本では世界的に展開していた海運会社である三光汽船を支配して、海外拠点や保有船舶の売却などを行いました。
世界を代表するヘッジファンドまとめ
コロナウィルスの感染拡大によって、各国政府や金融当局による異次元緩和が行われたことで金余りが進み、金融マーケットには多くの資金が流れ込んでおり、ヘッジファンドの運用額が伸び続けています。
ただし、ヘッジファンドにはさまざまなタイプがあり、有名なファンドマネージャーが運用するファンドや、数理モデルを活用するファンド、また攻撃的な利益獲得を目指すハゲタカファンドなどがあります。
アメリカのヘッジファンドの顧客になることはハードルが高いですが、時にはヘッジファンドの動向をチェックすることで、現在や将来の投資のトレンドを理解するうえで参考になるかもしれません。