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お客様からいただいたご相談内容

株価は景気と共に上昇と下落を繰り返すので、買うタイミングの計り方を学べば良いのではないですか?

買うタイミングを計ることは、プロでも難しいと言われます。人は合理的に考えようとし、非合理的な行動を取ってしまうからです。

資産運用は世界の景気動向に左右されます。景気も株価も似ていますが、「上がる」「下がる」を繰り返します。いつが景気のピークで、いつが景気の底なのか、事前には誰にも分かりません。
定期的にやってくる景気後退を見ていると、次のように考える人も出てきます。

「我慢して景気後退を待ち、数年後に大暴落が来たときに一気に投資をすればいい。その後の景気拡大期には株式などを持ち続け、景気が悪化する前に売り抜ければいい」
この考え方は、理屈上は正しいと言えます。景気が上下を繰り返すなら、下落を待って投資を始め、景気拡大期に利益確定すれば資産を増やせます。

しかし、その通りに実行できた人をほとんど見たことがありません。なぜなら、人間は非合理的な行動をしてしまうからです。例えばこのケースでは、数年に一度の相場の大暴落の際、実際に投資を実行する必要があります。でも少し考えてみてください。その投資を実行するタイミングでは、テレビや新聞はマイナスの情報で埋め尽くされます。情報を吟味すればするほど投資を始める「合理的な理由」がないことに気付くはずです。
そうなると、多くの人の気持ちは変わってきます。「もっともっと下がるかも……」。こうして、絶好の安値で投資を開始する機会を失うことになります。

投資を迷っているうちに、やがて相場は底打ちします。ある程度の株価調整(株価下落)が進むと、その後は大きな反発(上昇)を見せます。すると、今度は相場の最安値と比較して「買い時を逃した」と感じてしまい、結局買えずじまいになってしまうケースが増えます。

逆に相場が順調に上昇しているときには、「まだまだ上がりそう」と思って追加の購入をしてしまいます。実際、そのようなときには市場には「買うべき理由」が満ちあふれています。結果的に高値摑みになり、その後の相場下落で大きな含み損を抱えることになります。「言うは易く行うは難し」とは、まさにこのようなことを指しています。「人は合理的に物事を考えようとするが、実際は非合理的な行動を取ってしまう」。ここを理解した上で資産運用と向き合う必要があります。

蒲谷 晃広 <small>(Akihiro Kabaya)
蒲谷 晃広 (Akihiro Kabaya)
取締役

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