無人デジタル店舗サービスは海外だけではなく、日本企業でもすでに導入を行っているところもあります。例えば、TRIAL Quick 大野城店ではスーパーとして珍しく夜間は無人店舗となります。また、工具などを取り扱うモノタロウAIストアは佐賀大学本庄キャンパス内にて24時間無人店舗として営業しています。

無人デジタル店舗サービスは失敗に終わるのか?

米国のAmazonが実施した「Amazon Go」を皮切りに無人デジタル店舗の注目度が高まり、無人デジタル店舗の急速な普及が予想されたましたが、実は成功を収めている企業はまだそれほど多くはありません。

「Amazon Go」は2021年までに3,000店舗の出店を目指していますが、2019年現在の店舗は15店舗に留まっています。また無人デジタル店舗型レストランとして注目を集めた「Eatsa」は7店舗あった店舗のうち5店舗を閉鎖、今は2店舗のみで営業を行っています。

無人デジタル店舗サービスは、雇用数を減少し経費削減を行う経営側の利点と消費者側の購入時間のロスタイムの減少という利点から、浸透するのは時間の問題と考えられていましたが、消費者のセルフサービスによる負担増加がネックとなっており、いまだ実証段階であると言えるでしょう。

青写真とは異なる無人デジタル店舗サービスの発展の可能性

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無人デジタル店舗サービスは完全なキャッシュレス決済の実現が必要不可欠と考えられています。

例えば、楽天が運営する楽天生命パーク宮城では完全キャッシュレス化が導入されています。この取り組みで注目するべき点は「キャッシュレス化やデジタル化に特別な関心のない人」に向けて完全キャッシュレス決済を実施していることです。導入時には困惑する人が多少見られたものの、大きなトラブルはなく今では通常運営されていることから世界的な関心を集めました。

完全キャッシュレス決済が無人デジタル店舗拡大の障害となると懸念されていた無人デジタル店舗サービスですが、現在ではまた新たな関心が集まっています。それがAIやIoTを駆使した顧客体験の充実です。

2019年9月から無人デジタル店舗の導入実験を行う東芝テックや大手コンビニ会社ローソンは、ウォークスルー型決済により購入時間のロスタイム減少を図っています。同社はAIやIoTを駆使した最適な情報提供、顧客の購入体験に注力していきたいと考えているようです。これらが成功すれば、海外事例から懸念されるセルフサービスによる顧客負担の増加を緩和させることができるかもしれません。

ただコストカットを重視した無人デジタル店舗サービスから顧客体験重視型無人デジタル店舗サービスへと、無人デジタル店舗サービスの発展の可能性はますます広がりをみせています。



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