時代とともに変化する、医療事情。それに伴い、医療費の負担額も少しずつ変化しています。入院などのリスクに備える手段のひとつに医療保険がありますが、これにより、将来の医療費を賄うことは可能なのでしょうか。医療保険を見直す場合、具体的にどのようなポイントをチェックすればいいのでしょうか。
                                                  
時代とともに変化する医療事情
入院や手術などに備えるための医療保険。加入したことで安心して一度も見直しをしたことがない、という方は少なくありません。しかし、私たちを取り巻く医療事情は時代とともに変化しており、医療保険の保障内容も、その時代の医療事情に対応できるよう定期的に見直す必要があります。

そこでまずは、医療事情がどのように変化しているのか、今後、どういった変化が予想されるのか、という点について見ていきましょう。


入院日数は短縮化傾向
近年、医療機関における患者の入院日数は短縮化傾向にあります。厚生労働省実施の患者調査によると、1990年には44.9日だった平均入院日数が、2008年には35.6日に、2017年には29.3日になっています。

平均入院日数を傷病別にみても、悪性新生物が16.1日、心疾患が19.3日と、一昔前に比べてかなり短縮化しているのです(厚生労働省『平成29年患者調査』より)。


外来治療が増加傾向
入院日数が短縮化傾向にある一方で、外来治療は増加傾向にあります。
悪性新生物に対する外来治療を例に挙げると、2008年時点では「171」であった人口10万人に対する受療率が、2017年には「197」になっているのです。

入院日数の短縮化が進んでいることからしても、この傾向は今後ますます強くなっていくのではないでしょうか。


少子高齢化に伴い医療費の負担が増える可能性も
日本は社会保障制度が充実しており、医療費の自己負担額も収入に応じて1ヵ月あたりの上限が決まっています(高額療養費制度)。
ただ、これはあくまで「現行」の制度であり、少子高齢化により医療費の増加と税収の減少が加速すると、高額療養費制度が見直され医療費の負担が増える可能性も十分考えられます。


現在加入の医療保険では将来の医療費を賄えない!?
生命保険会社が販売する医療保険は、その時代の医療事情に対応した保障内容になっています。そのため、現在加入している医療保険がかなり古い商品である場合、保険金だけでは医療費を賄えない可能性があります。

例えば、「入院給付日額1万円(入院5日目より給付)・手術給付金10万円」という内容の医療保険に加入していると仮定しましょう。この場合に肺炎で7日間入院し、外来治療に5日間通ったとすると、給付される保険金は3万円しかありません。

では、「入院給付日額1万円(入院1日目より給付)・手術給付金10万円・通院給付日額1万円・入院一時金10万円」という内容の医療保険に加入しているとどうでしょうか。上の例と同じく肺炎で7日間入院して外来治療に5日間通った場合、給付される保険金は22万円になります。

どのような保障内容にするか、入院何日目から保険金が給付されるのか、といった点が変わると、支払われる保険金の額にここまでの差が生じるのです。


あなたの医療保険は大丈夫?今すぐチェックすべきポイント5つ

医療保険は、その時代の医療事情に合った保障内容にする必要があります。では、あなたが加入している医療保険は、今後想定される医療事情の変化に対応できる内容になっているでしょうか。
以下の5つのポイントをチェックしてみましょう。

■入院給付金は、入院1日目から支給されるのか
現在販売されている医療保険は入院1日目から保険金が給付されるものがほとんどですが、かつての医療保険には「入院〇日目から保険金を給付」というように条件が付されている商品が多くありました。
昔加入した医療保険をそのままにしている方は、この点についてチェックしておきましょう。

■入院後の外来治療にかかる費用も保障されるのか
上述のように今後は、入院日数の短縮化と外来治療の増加が進むことが予想されます。そのためこれからの医療保険は、外来治療にかかる費用も保障される内容にしておくことが望ましいでしょう。

■入院した場合にまとまった保険金が支払われるか(入院一時金などにより)
入院日数が短縮化すると、入院給付日額を1万円で設定していてもわずかな保険金しか給付されない可能性があります。そういった場合に入院一時金特約をセットしておくと、ある程度まとまった保険金が給付され、医療費をしっかり賄うことができます。

■保険期間はいつまでか
医療保険は、定期型と終身型の2種類に分けられます。これらのうち定期型は「〇〇歳まで」というように保障期間が限られているため、高齢化が進むこれからの時代にはそぐわない可能性があります。

30代までは安い保険料で加入できる定期型医療保険で大きな保障を用意しておくのも一つの選択肢ですが、40代以降は生涯にわたって保障を受けられる、終身型の医療保険を検討することも必要と考えられます。

■保険料は今後どう変化するのか
医療保険により保障を生涯にわたって受け続けるためには、保険料を払い続けなければなりません。そうすると、更新の度に保険料が上がる定期型の医療保険では、保険料の支払いが難しくなったり、保険料を下げるために保障内容を下げたりせざるを得なくなる可能性があります。

終身型医療保険の保険料は生涯にわたり一定ですし、保険料の支払方法を60歳払い済み、65歳払い済み、10年払い済み、といった短期払いにすると、一生分の保険料を現役時代に払い込んでしまうことも可能です。

医療保険により将来の医療費をカバーするためには「医療保険に加入し続ける」ことが大前提となりますので、現在加入している医療保険が無理なく保険料を払い続けられるものかどうか、という点についても必ず確認しておきましょう。



今後もめまぐるしい変化が予想される、医療事情。医療保険は、それぞれの時代に合った内容にする必要があります。現在加入している医療保険で将来の医療費を賄えるのか不安に思っている方は、現在加入の医療保険の内容を確認し、必要な保障をリストアップすることから始めてみてはいかがでしょうか。



>>購入者の7割が不満?なぜあなたの投資信託選びは失敗するのか?