1.はじめに
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とは、私たちが積み立てている国民年金と厚生年金の管理・運用を行う厚生労働省所管の独立行政法人です。
2018年9月末の運用資産は約165兆円であり、公的年金の運用では世界最大級の規模です。
そのような規模をもつ運用機関はどのような運用を行っているのか、私たちの大切な年金を運用していることもあり気になるところだと思います。
これにお答えするため、本コンテンツではGPIFの運用手法や運用実績、運用しているのはどのような人たちなのかを調べてみましょう。


2.どのように運用しているの?
GPIFは広範な資産を持つ規模の大きい投資家(ユニバーサル・オーナー)であり、100年後を視野に入れた年金財政の一翼を担う超長期投資家です。その基本的な運用コンセプトは長期の国際分散投資であり、2018年9月末時点のポートフォリオは国内債券が25.36パーセント(約42.9兆円)、国内株式が25.65パーセント(約43.5兆円)、外国債券が14.81パーセント(約25.1兆円)、外国株式が25.70パーセント(約43.6兆円)です。

GPIFは世界的な量的緩和による低金利を背景に、2014年あたりから株式中心の運用に切り替えました。全体的な運用手法はパッシブ中心ですが、20パーセント程度はアクティブ運用を行っているようです。

GPIFの株式運用の特徴は、独自のインデックスをベースにしたESG投資です。ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の略であり、投資候補先については企業の環境への対応や社会との関わり具合および企業統治の基準を設定し、それらの取り組みに優れた企業に投資します。ESGに関するネガティブな要素を最小化することで長期的なリターンを最大化する手法が、ESG投資なのです。

GPIFはESG投資を今後も拡大していくと考えられます。GPIFの運用する資産は巨額であり、かつ長期投資が基本ですから、GPIFの投資する企業の株価は底堅いものと考えられます。これに他の投資家が追随することで、株価については一層の好循環が期待できます。


3.どのくらい儲かっているの?
2018年9月末時点の運用実績は、+3.42パーセント・+5.4兆円でした。運用を開始した2001年からの収益率は+3.33パーセントであり、累積収益額は71.4兆円にも達します。

対ベンチマークでみると、2018年9月末は債券が長期金利の上昇により-0.67パーセントだったものの、国内株式は+6.97パーセント、外国株式は+12.6パーセント、外国債券は+2.17パーセントです。

このように、好調な国内外の株式市況の恩恵を受け運用実績は概ね良好といえます。国内外株式が大幅に下落した2018年12月末時点の運用実績の公表が、待たれるところです。


4.どのような人が運用しているの?
意外に思われるかもしれませんが、GIPFは独自で運用を行っているわけではありません。運用資産額のほとんどは国内外の投資顧問会社や信託銀行など外部の運用機関を公募によって選定し、そこに運用を委託しているのです。

なお、運用資産の保管・管理は資産クラスごとに日本マスタートラスト銀行や日本トラスティ・サービス信託銀行などの資産管理専門銀行が行っています。


5.まとめ
GPIFの長期国債分散投資は投資戦略の王道であり、今のところ成功しているといってもよいでしょう。GPIFの運用手法や運用状況をウオッチしていくことは、私たちの投資戦略にも大いに参考になると考えられます。




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