高層マンションにするか、それとも低層マンションにするかということはマンションを選ぶ際の大きなポイントのひとつだと思います。
しかし最近は富裕層を中心に低層マンションが好まれている傾向にあるようです。
本コンテンツでは、その背景を探っていきます。


なぜ、低層マンションがまた注目されているのか
アベノミクスの効果などでマンションの値上がりが続いた平成20年代の後半、特に都市部のタワーマンションともいわれる高層マンションが人気を集めました。
この大きな理由のひとつが、高層マンション高層階部分の取得費と比較した固定資産税の安さによるものです。

一般的に高層マンションは高層階になればなるほど取引価格は高額になるのですが、床面積など条件が同じであれば低層階も高層階も固定資産税評価額は同一であり、したがって固定資産税は同額でした。つまり、高層階部分は低層階部分よりも相対的に固定資産税が低かったのです。

これに着目した多くが、実質的に固定資産税の節税を目的として高層マンションの高層階を購入していきました。「高層マンションは高層階から低層階への順番で売れる」というのが不動産デベロッパーの共通認識だったのです。

しかし、このような税負担の不平等性は以前から指摘されており、平成29年3月27日に可決した「平成29年度税制改正法案」により、高層マンションの階層の違いによる取引価格の傾向を反映することを目的として「居住用超高層建築物に掛かる課税の見直し」が盛り込まれました。

これにより、平成30年より課税されることになる高さ60メートルを超えるタワーマンションは、一棟全体に対する固定資産税の総額は変わらないものの、高層階になればなるほど固定資産税が上がる仕組みとなり、高層階部分は増税となり逆に低層階部分は減税となりました。

平成31年1月時点で、タワーマンションの高層階には相続税や贈与税については増税措置が取られていないため引き続きメリットはあるものの、少なくとも固定資産税については税制メリットが無くなったのです。そこで高層マンションと比較して住環境が良好な低層マンションに再び注目が集まっているのです。


低層マンションの魅力
税制面を除けば、低層マンションは以下のように様々な魅力があります。
1.周辺環境が良好
メリハリの効いた街並み作りのために、行政はエリアごとに土地の用途や高さなどを指定しています。これを用途地域といいます。

一般的に低層マンションが建築される用途地域は、第一種住居専用地域または第二種住居専用地域です。これらの用途地域では高い建物が建てられないため、高い建物が乱立しやすい商業地域などと比べると日当たりや眺望が良好です。また、小規模な店舗を除き基本的に商業施設の入るビルや工場などが建てられないため、閑静かつ治安のよい住環境が期待できます。

2.災害時でも避難しやすい
東日本大震災時、多くのタワーマンションの高層階部分では大変な揺れと同時に、エレベーターが長時間停止したことで避難について不安を覚えた方が多いでしょう。これは万一火災が発生した時も同じことがいえます。

この点、低層マンションであれば5階建て程度の高さのため、仮にエレベータが停止した状態で避難しなければならないときでも階段で無理なく建物外に出ることができます。

3.売りたいときに売りやすい
多くのマンションデベロッパーは、マンション建築用の土地を購入する際に低い建物しか建てられない用途地域よりも、高い建物を建てられる用途地域を好みます。

これは、限られた土地の面積を最大限有効に使い多くの部屋を分譲するための、商業的観点によるものです。
このため、いわゆる低層マンションは中高層マンションよりも数が少ないのですが、新築に限らず中古市場においても上記のメリットから低層マンションを好む人は相当数いるものと考えられます。

しかし、先述の通り多くのマンションデベロッパーは低層マンションよりも高層マンションを好む傾向があるため、地域にもよりますが低層マンションの数は相対的に戸数が少ないとされています。


まとめ
低層マンションに再び注目が集まっているとはいえ、住環境として高層マンションの高層階を好む人も依然として多くいるようです。
税制面のメリットも外せないテーマですが、マンションはあくまで立地や設備なども総合的に勘案したうえで、ご自身が好むタイプを選ぶことがよいのではないのでしょうか。



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