はじめに
2018年1月、「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」、いわゆる「休眠預金等活用法」が施行されました。

この法律の目的と要点は銀行などに長期間預けたままの状態の預金を国民のために使うというものですが、いろいろと細かな定義や決まりがあり、休眠預金等活用法そのものを把握していない預金者も多いかと思われます。

そのような預金者向けに、本コンテンツでは休眠預金等活用法の概要についてご説明します。

休眠預金とは?
休眠預金の定義を確認するために、休眠預金等活用法第2条第6項をみてみましょう。

「この法律において『休眠預金等』とは、預金等であって、当該預金等に係る最終異動日等から10年を経過したものをいう」

ここでいう「預金等」とは、普通預金や定期預金、当座預金、貯蓄預金、定期積金、別段預金、相互掛金などを指します。
元本補てん契約のある金銭信託や金融機関保護預かりの金融債も対象となります。

一方で、外貨預金や譲渡性預金、デリバティブ預金、保護預かり外の金融債、財形貯蓄、旧積立郵便貯金などは「預金等」の対象となりません。

また、「最終異動日等」とは、以下のうち最も遅い日を指します。

・入出金や第三者からの支払い請求による引き落としなどが最後にあった日
・定期預金の満期など、預金者が金融機関に対して有する権利の行使ができる日
・金融機関から預金者などへ通知を発送した日(宛先不明などで返送されなかった場合に限定)
・上記の「預金等」に該当することになった日

このように定義された「最終異動日等」から10年を経過した「預金等」が、休眠預金とされるのです。

なお、休眠預金に該当することになった後でも預金者の権利は引き続き保護されます。金融機関に対して休眠預金に関する払い戻し請求を行えば、預金者は元本と利息相当額の支払を受けることは可能なのです。


どのように活用されるの?
休眠預金等活用法の施行後、新たに発生する休眠預金等について金融機関は預金者に対し通知および公告を行います。
ただし、残高1万円未満の預金等については通知不要とされています。

公告から2ヶ月経過すると、元本に利息を加えた休眠預金は各種手続きを経て金融機関から預金保険機構に移管されます。そして預金保険機構は休眠預金活用の指定を受け内閣府の監督を受ける「指定活用団体」に休眠預金を交付し、指定活用団体から公募により選定された各種財団や社団法人、NPO法人など各種団体に助成金や貸付などの形で交付され、活用されることになります。

休眠預金は、以下に挙げる例のように国や地方公共団体が対応困難な社会的課題の解決に限定して活用されるものとされています。

・子どもや若者の支援
・社会生活や日常生活を送るうえで困難をしている人への支援
・活力の低下あるいは様々な困難に直面している地域への支援


休眠預金の活用について公正性・公平性を確保するため、内閣府の監督のもと体制整備が進めれらています。

まとめ
以上のように休眠預金に該当したとしても預金債権そのものが無くなるわけではないこと、休眠預金の使途は限定的であり、社会的にも有益なものであるということはご理解頂けたと思います。

休眠預金は、もともと国民固有の財産です。実際に休眠預金の活用が本格化するのは2019年の秋ごろとみられていますが、それまでに資金使途の透明性の確保や国民に対する周知徹底といった取り組みを一層強化していくことが、国や金融機関に課された課題といえるでしょう。

また、大事な預金そのものが消滅するわけではないとはいえ、私たちも休眠預金に該当するような預金はないか、これを機会に金融機関への預け入れ状況を棚卸しする良い機会といえるのではないのでしょうか。



>>購入者の7割が不満?なぜあなたの投資信託選びは失敗するのか?