年末年始はクリスマスや正月など、楽しいイベントが目白押しです。そして私たちはクリスマスや正月を楽しむために、いつもよりも多く出費します。このようなイベントによる出費が日本経済にどの程度のインパクトを与えているか、本コンテンツで検証してみたいと思います。


1.日本経済に欠かせない年末年始
バレンタインデー、七五三、ゴールデンウィーク、夏休み、ハロウィンなど、日本では宗教や政治的背景などほぼ関係なく1年中を通して数多くのイベントがあり、どのイベントも国民の余暇や楽しめる年中行事として効果的に活用されています。
ここで突然ですが、経済活動について考えてみましょう。

経済活動とは、「家計」「企業」「政府」の3つの主体が互いにそれぞれの需要と供給に基づきモノ・サービス・お金を取引することであり、経済はこれらの3つの主体がお金を循環することで成り立っています。
各イベントでは日常生活における通常の経済活動に加えて、各イベント特有の経済活動が発生します。

例えばバレンタインデーでは、家計は生活必需品に加えて企業からイベント用のチョコレートなど「財」を購入する「消費行動」をとり、家計は消費税・企業は所得税や法人税などの形で政府に「納税」し、政府は行政サービスなどの形で家計や企業に還元します。

このように各イベントごとに家計主体で発生する経済活動は、日常生活における経済活動プラスアルファとして日本経済に少なからず良いサイクルを生じせしめているのです。

そして、数多くあるイベントのうち日本経済に最も大きな影響を及ぼすものが年末年始、具体的にはクリスマスや正月です。


2.どのくらいの経済効果があるの?
それでは、年末年始はどのくらいの経済効果が現れるのか、まずは具体的な統計結果をみてみましょう。

まず、経済産業省が発表している「経済産業局別小売業販売額」によりますと、2017年12月における全国の小売業の販売は約13兆9460億円でした。
他の月は概ね10兆円台から12兆円台で推移しており、これは1年のうちもっとも高い販売額であり、前月比で約16パーセントの増加です。
もっとも、この数値にはイベントとは関係ない日常生活向けのものも多く含まれると考えられますが、毎年恒例のクリスマス商戦や年末年始商戦の賜物といえるでしょう。

また、JTBが発表している「年末年始(2018年12月23日~2019年1月3日)の旅行動向」をみても年末年始の旅行者数は国内が約2989万人・海外が73万人と見積もられており、1年の中でも有数の旅行シーズンです。
特に2018年の年末年始旅行者数は長い休暇期間とボーナスアップの背景もあり、過去最高の見込みです。

なお、各種のマーケティング結果などからイベント別の経済効果をみてみますと、クリスマスがおよそ7000億円、正月がおよそ2兆1000億円と見込まれます。
2017年の(名目)国内家計最終消費支出が約296兆円ですから、クリスマスと正月のわずか数日間だけで、家計支出の約1パーセントを占めることになるのです。

ただし、2018年だけみてみると良い数値ばかりではありません。内閣府は街中約2000人を対象として景況感を調査する「景気ウォッチャー調査」というものを毎月発表しており、これにより街中の景況感を推測することができます。2018年12月の調査結果によりますと、家計の現状判断を示す指標は前月比で悪化しており、クリスマスや年末年始を控えているのにもかかわらず経済センチメントはあまり良くないことを示唆しています。


イベントによる経済効果の多くは、国民の出費によるものです。
せっかくのイベントですから、多少の出費は已む無しと考えて、その分おおいに楽しみましょう。



>>購入者の7割が不満?なぜあなたの投資信託選びは失敗するのか?