近年、発展途上国との貿易でフェアトレードという用語がよく使われます。
このフェアトレードは貿易する企業だけに必要な考え方や方法を示す用語ではありません。消費者にとっても重要な内容を持っている用語です。

フェアトレードとは何か、フェアトレードが貿易する企業や現地の生産者、購入する消費者にとってどのようなメリットやデメリットがあるかなどについて簡単に5分でわかるように紹介します。

フェアトレードが生まれてきた理由

日本には、世界中の国からさまざまな食料品や日用品など多くのジャンルの物品が輸入されています。
そのなかには先進国からの洗練された加工品だけでなく、発展途上国からの素朴な加工品やその国の特産品なども多く輸入されています。この発展途上国から輸入品については、先進国の企業が、その国の労働者に低賃金で劣悪な環境、長時間労働などの過酷な労働条件で働かせる搾取がかつては行われていました。

近年においても、コスト競争力を高めることは企業経営にとって最も重要な課題のため、昔ほど過酷・劣悪ではないにしても企業は発展途上国の国民に対して正常なビジネス取引ではない取引を行いがちです。

なぜなら、圧倒的に物品を購入するほうの企業の力が強いからです。このような貿易取引では、現地生産者の生活の向上にあまり貢献しないこと、また一方的な取引になりやすいので購入する企業の都合で取引が突然中止されやすいことなどが考えられます。また、利益最優先主義にも陥りやすく農業生産物などの場合、生産性を上げるために化学薬品が必要以上に使用されたり、農地にするために必要以上に自然が破壊される可能性が考えられます。

そこで、正当な金額で購入することで、生産者が継続的に事業を続けられてより良いものを作れる環境を整え、また生産者や消費者にも安心・安全な物品が生産・購入できるようにするフェアトレードの考えが生まれました。

フェアトレードとは?
フェアトレードとは公平な貿易を意味する「Fair Trade」のことで、発展途上国で作られた物品を適正な価格と対等な関係で継続的に貿易するという国際的な取り組みのことです。これにより、現地の労働者の生活向上を長く支えていくことを目指し、結果として購入する企業や消費者もメリットが得られます。また従来、国際協力や資金援助は一過性で継続性がなく行われてきたことがありますが、持続的に行われます。

フェアトレードや国際協力・援助が継続して行われることで、
「適正な価格での購入」→「高い収入と技術の獲得」→「安定・継続的な生産や安心安全な製品の生産」→「環境を守り環境を守る投資も可能」→「品質や安全性の向上」→「消費者の満足度向上」→「より適正な価格による購入の拡大」

という好循環が生まれます。

このフェアトレードの考えは、すでに1960年代にヨーロッパから世界に広まっていき、国際フェアトレード基準の制定、国際フェアトレード製品の認証やそれを示すラベルの制定・導入、フェアトレードの認証団体の設立されました。日本では、国際基準に沿わないフェアトレードなどが行われるなどヨーロッパの国々よりは取り組みが遅れています。

代表的なフェアトレード生産品には、コーヒー、紅茶、カカオ、スパイス、ハーブ、バナナなどの果物、綿製品などがあります。

フェアトレードのメリット
フェアトレードのメリットをまとめると以下のとおりです。

1.生産者の生活を守り向上させられる

2.環境保護に役立つ

3.安心・安全な生産品を作れる

4.劣悪な環境、長時間労働、子どもの労働などを回避できる

5.高品質な生産品を作れる



フェアトレードのデメリット・問題点とは?
フェアトレードには、メリットだけでなくデメリットや問題点があります。

1.フェアトレードを維持するために余分なコストが発生する

フェアトレードを認証するために存在する機関の費用が上乗せされて、生産品に転嫁されたり生産者ではなく機関の費用として使われたりするデメリット、問題があります。

2.企業が自主的にフェアトレードを行う

フェアトレード生産品であることを厳密に定めた基準を守らずに企業の独自基準で行うフェアトレードを行うことが許されており、不明確な基準で運用されている問題があります。

3.生産者コストが優先されるためマーケットと価格のズレが生じる

マーケット価格は、売れる価格で生産するための努力や工夫が通常最優先課題として行われますが、フェアトレードにおける「適正価格」とは、原則として生産者の生活を支えるコストを基準にして決められます。そのため、マーケットで売れる価格との差が生じます。


まとめ
フェアトレードとは何か、フェアトレードの必要性やメリット・デメリットについて紹介しました。

フェアトレードの意味や意義を知っていることは、安心・安全な生活に役立ち、また世界の不公平な経済格差の解消、人権の保護活動にも繋がります。

まだ、市場規模は小さいですが、今後拡大していく可能性があります。投資先として、フェアトレードに積極的に取り組んでいる企業や、フェアトレードによる輸入品を積極的に販売する小売店が考えられますが、現時点では市場規模が小さく、投資としては魅力があるとまだ言えない状況です。


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