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現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーとは?

2018/02/02

「マネジメント」の発明者として、現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏。
企業経営や組織のあり方についての膨大な著作を残し、日本でもセブン&アイの伊藤名誉会長やユニクロの柳井会長など、経営者や実業家の熱心なファンが多いことでも知られる、20世紀経済学の泰斗です。

ドラッカーのマネジメント論を読みやすい物語に置き換え、ビジネス書としては異例の270万部を突破する一大ベストセラーとなった、2010年発売の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でその名が広く知られるようになった経緯から、経営や組織作りに関する理論ばかりが注目されることの多いドラッカーですが、その考え方は、投資や資産運用の分野でも、非常に重要なヒントを与えてくれます。

今回は、これから起きる変化を読み取ること読み取る「社会生態学者」としての姿を中心に、ピーター・ドラッカーについてご紹介します。

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将来の変化を予測する「社会生態学者」としてのドラッカー

ドラッカーの残した40冊以上の著作のうち、経営やマネジメントをテーマとしたものは4割程度と意外に少なく、ほかには「セルフマネジメント」という個人の生き方に関する本が1割ほど、そして半数以上を占めるのが、ドラッカーが「社会生態学」と名付けた、将来の社会や経済の変化を予測するジャンルの著作群です。

イギリスの投資銀行で証券アナリストとして活躍していたドラッカーは、アメリカに移住してから文筆家としてデビュー。この社会生態学に関する著作の中で、将来世界で起きる大きな変化を次々と予測し、的中させてきました。

1939年の処女作「経済人の終わり」では、当時はだれも予測していなかった独ソ不可侵条約を見事に言い当て、その名を世界に知らしめました。以降、大企業やグローバル企業の誕生、国営事業の民営化、知的情報社会の到来、ソ連崩壊と地球規模の環境問題の発生、さらには年金資金が最大の機関投資家となるとして、現在の政治系ファンドやヘッジファンドの出現を予測するなど、まさに未来を覗いてきたような著作の数々を残しています。

未来は予測できないが、未来を知る方法はある!?

こうした業績から、他人から「未来学者(フューチャリスト)」と呼ばれることもあったドラッカーですが、自身は「社会生態学者」を名乗り、その著作の中で繰り返し、明確に未来は予測できないことを断言しています。
「未来について言えることは二つしかない。第一に、未来は分からない。第二に、未来は現在とは違う(『創造する経営者』より)」

しかし、ドラッカーは続けて「それでも未来を知る方法はある」として、二つの方法を語ります。

まず一つ目は、自分で未来を創ること。ドラッカーが生み出した「マネジメント」という概念で起こった社会の変化は、まさにドラッカー自身が創造した未来の一例といえるでしょう。

そして二つ目は、すでに起こってしまい、もはや元に戻ることのない変化、しかも重大な影響力を持つことになる変化を知覚し、分析すること。ドラッカーは、これを「すでに起こった未来」と名付けています。

「すでに起こった未来」とは?

しかし、「すでに起こった未来」とは、いったいどんなものでしょうか?
ドラッカーは「人口構造だけが、未来に関する唯一の予測可能な事象である」と考え、あらゆる問題で、この先に起きる出来事を読みとる指標として、人口構造の変化を非常に重視しました。

この年齢構成の変化から予測できる未来を、ビジネスに応用した例として著作の中で挙げられているのが、アメリカの靴屋チェーン・メルビルの事例です。

1960年代、メルビルは第二次世界大戦の終結直後、アメリカで出生率が上昇した10代のベビーブーマー世代の嗜好に合わせたデザインや広告戦略をいち早く取り入れ、ヒットを飛ばしました。その後、メルビルの成功を見た他の企業が10代の市場に参入するころには、メルビルは早々に20代向けの商品開発を行って成功を収めています。

メルビルは、自社のターゲットを特定の年齢層ではなく「ベビーブーマー世代」と位置付けて、人口構造の変化で起きる「すでに起こった未来」から、未来の市場のニーズを見越して商品開発を行ったのです。

将来を読み取る重要なヒントを伝える、ドラッカーの社会生態学

ドラッカーがこうした考えに至ったのは、自身の苦い体験によるものでした。
イギリスの投資銀行で証券アナリストとして活動していたドラッカーは、入社してすぐにニューヨーク株式市場に関する分析を行い、今後も株価は上昇すると結論付けた論文を発表しました。しかし、そのわずか数週間後に起こったのが、1929年のウォール街大暴落に端を発する世界恐慌です。

ドラッカーは、このときから単にデータを分析して相場を予測することを止め、1939年にアメリカに移住後、本格的に文筆家として活動を開始。
これまでに起きたこと、今現在起きていることから「すでに起こった未来」を知る社会生態学に基づき、世界中で起きるこれからの変化を読み取る著作を発表して、数々の驚くべき予測を的中させてきたのです。

人口構造の変化は、企業の売り上げや、国の成長性に大きな影響を与えます。将来の起こる変化や成長性を考える前提として、人口構造の調査・分析は欠かせません。

さらにドラッカーは、これから起きる社会の変化を読み取る上で、それぞれの国が持つ文化や歴史を学び、そして今現在働く人々の姿を観察することも重視しています。
単にデータを分析するだけではなく、過去、そして今現在起きていることを学ぶことで、これから起きる変化を知るドラッカーの考え方は、長期的な未来の変化をとらえることが大切な個人の資産運用でも、重要な手掛かりになるでしょう。

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