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5分でわかる!自社株買いが株価に及ぼす影響と注意点

2017/06/30

企業が自社の株を取得することで、その分の株式が市場に出回らなくなるため、株価上昇が期待できます。しかし、取得した自社株を企業がどのように取り扱うかによって、その後の株価は変動します。開示情報と業績はしっかりチェックしておきましょう。

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なぜ自社株買いが注目されるのか?

上場企業は東証一部全体でおよそ100兆円規模の手元資金を抱え込んでおり、その資金の有効活用が求められています。2016年には自社株買いは約5.3兆円と過去最高を更新。日銀に次ぐ日本株の買い手となっています。

S&P日本自社株買いインデックスは好調で、TOPIXをアウトパフォームしています。

自社株買いの目的

企業が自ら資金を使って自社の株を買い取ることを「自社株買い」と言います。自社株買いによって買い付けられた株式は、市場には出回らなくなります。その結果、企業の利益は同じにもかかわらず市場の株式数が減り、1株あたりの利益が大きくなります。

たとえば10000株で純利益100万円の場合は、
100万を10000で割って1株あたりの利益が100円。

10000株のうち2000株の自己株式を取得した場合は、
100万を8000で割って1株あたりの利益が125円。

1株あたりの価値が、25円プラスになる計算です。

このように、株主に利益を還元することを目的とした自社株買いをおこなう企業が増えています。

また、自己株式を取得するメリットはほかにもあります。それは、2014年に新しく公表された株価指数であるJPX400に組み入れられやすくなることです。

【JPX400とは】
投資家にとって魅力的とされる条件を揃えた400の銘柄を選出した指標です。赤字経営などの問題ある企業を除いてから、

    • 過去3年間の営業利益の合計
    • 自己資本利益率(ROE)
    • 時価総額

の3つに注目して、特に成績の良い400の銘柄を選び出しています。自己資本利益率は、1株あたりの利益が上がることで向上します。そのため、自社株買いをすることで優良銘柄としてJPX400に組み入れられやすくなるわけです。

自社株買いは株価上昇に繋がる!?取り扱う際の注意点とは?

企業が自己株式の買い付けを発表すると、

    • 1株あたりの利益が上昇
    • 株主還元への期待

などの理由によって株価が上昇する可能性がグッと高まります。

しかし、自社株買いが発表されたからといって、必ずしも株価が上がるわけではありません。たとえば、発表したものの、実際には自社株買いが行われないこともあります。そうなれば発表後に上がった株価も、すぐに下落してしまうケースも少なくありません。

自社株買いが発表されてからも、業績や開示情報をチェックすることが重要になります。

【業績不振の企業は要注意!】
自己株式の買い付けをおこなったとしても、業績が悪ければ株価の上昇は長続きしません。やがて自社株買いをする前の水準に戻ってしまうでしょう。企業が自社株買いを発表したら、まずは業績を確認し、好調だと判断してから、その銘柄の取り扱いを検討しましょう。

【開示情報をチェックして自社株買いの目的を把握する】
まずは、自己株式の買い付けをおこなう理由を確認しましょう。株式還元や資本効率の向上などであれば、株価の上昇に関連します。

そのほかにも、自己株式を買う理由は

    • ストックオプション(従業員に持ち株を売る制度)のため
    • 買収されないようにするため

などがあるので注意が必要です。

企業が取得した自己株式は最終的に、「消却」あるいは「処分」されます。

【消却】
取得した自己株式をなかったものとします。消却された株式は完全に消えてしまうため、1株あたりの利益は高いまま保たれます。

【処分】
取得した自己株式を売却することを言います。この場合、一度上がった1株あたりの利益は再びもとに戻ってしまうため、株価が下落する要因になります。

企業がどのような理由によって自社株買いをするのかを把握することで、自己株式の最終的な扱いを予想できます。また、過去に自己株式を処分したことがある企業の場合、自社株買いをしても株価の上昇に繋がりにくい傾向があるので注意してください。

基本的に、企業による自己株式の取得は株価にポジティブな影響を与えます。業績が好調な企業が株主還元のために自社株買いをおこなう場合は、株価が上昇する可能性が大きいと考えられます。

ご参考:S&P日本自社株買いインデックス

過去1年時価総額に対して自社株買い割合(自社株買いの金額/時価総額)が高い銘柄50社を算出した指数です。トヨタ自動車(7203)、ソフトバンク(9984)などの大型銘柄からミクシィ(2121)、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)などのネット企業まで様々な業種の銘柄が採用されています。

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