5.ROEを上げるためには
株価を高めるためにはROEを上昇させることが重要になります。ROEを上げる方法は基本的には「業績を上げる」か、「資本を減らす」ことです。なぜなら、

ROE=純利益÷株主資本 

だからです。株主資本は増資をした場合などは増えますが、毎年大きな変動のあるものではありません。ですからROEが増える要因は、(株主資本に変動がないのであれば)利益を上げるしかないのです。

近年よく行われるのは自社株買いによるROE対策です。使い道のない余剰資金で自社の株を消却していくと「ROE=純利益÷株主資本」の分母(株主資本)が減るため、結果ROEは上昇します。2015年度は日本の上場企業の自社株買の総額が5兆円を超え、8年ぶりに過去最高を更新しました。(自社株買いとは別に2015年度の配当総額は10兆円を超えています)。自己資本を増やす公募増資は2016年1月~6月は約18年ぶりの低水準となっています。企業の財務戦略は負債に分類される社債にシフトしているのです。

株主を重視する時代と言われていますが、各企業は「増益(企業価値向上)」に加えて「自社株買い」を積極的に行っているのです。株主重視の経営を行い、ROEを高めた結果、米国の株式はこれまで大きく上昇してきました。ですからROEを重視する経営は将来の株価予想において非常に重要と言えます。

しかし同時にPERやPBRといった指標は「絶対値」ではないのです。ある程度は(自社株買いの実施などによって)「いじれる」数値であるため、投資家はそれを盲信すべきではないでしょう。


6.トラップに陥らないために
PBRが低いのに株価が上昇しない理由はいくつもある、ということをご理解いただけたと思います。ではバリュートラップに陥らないためにはどうすればいいのでしょうか。

バリュートラップに陥らないためには株式の本源的価値を調べることが必要となります。そのために必要な手段としては・・

・有価証券報告書を複数年分通読する
・実地調査を行う
・企業へのヒアリングを行う
・同業他社比較/業種間比較を行う
・日々の流動性の確認を行う


といった地道な対処法があげられます。しかしこれらは個人投資家が行う事は難しいのではないでしょうか。
だから資産運用はプロが運用する投資信託に任せている、という投資家が多いのだと思います。しかし投信選びにも罠はあるので注意が必要です。割安株投資にも、投資信託選びにもトラップが存在するのです。

投資信託のトラップに陥らないために次のページをご覧ください。
なぜあなたの投信選びは損するのか?