<2004年 アテネ(ギリシャ)>
開催が決まった1997年9月直後から株価は急騰し、「アテネ総合指数」はわずか2年余りで4倍近くまで上昇します。ところが、2000年にITバブル崩壊が起こり、株価指数は6000ポイント台から一気に開催決定時の1000ポイント台にまで大暴落し、「往ってこい」の株価推移となりました。結局、2004年8月の五輪開催時には2500ポイント前後になり、五輪終了後も上昇を続けました。開催決定から開催までの平均実質GDP成長率は3.9%(7年間)でした。
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<2008年 北京(中国)>
中国の代表的な平均株価「上海A株」は、2001年7月の五輪開催決定以後もずるずると低迷を続けます。ITバブル崩壊が原因となって調整期間が続き、開催決定時2000ポイント前後だった株価は半値の1000ポイントの半値まで下落します。その後わずか2年で6000ポイントまで急騰しましたが、そこでリーマンショックが発生し株価は再び大きく下落します。五輪開催時には3000ポイント以下となり、その後も株価は下落します。五輪開催前年の2007年のGDP成長率は14.2%で、開催年の2008年は9.6%に下落しました。五輪景気の反動とも考えられますが、むしろリーマンショックの影響かもしれません。
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<2012年 ロンドン(英国)>
開催決定の2005年7月以降、平均株価の「FTSE100」は30%程度の上昇を遂げます。しかし、3年後のリーマンショックで株価は大きく下落します。開催決定時5500ポイント程度だった株価は4000ポイントを切り、その後2012年7月の五輪開催には開催時と同じレベルに回復します。五輪後も株価は上昇を続け、景気も回復します。とはいえ、開催決定から開催までの7年間の実質平均成長率は年1.0%で、2000年以降の五輪開催国では最低です。
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<2016年 リオデジャネイロ(ブラジル)>
2016年8月に開催されたリオデジャネイロ(ブラジル)は、2009年10月に開催が決定し、平均株価の「ボベスパ指数」は6万ポイントから7万ポイント超に一時的な上昇を遂げたものの、2016年8月5日時点で57661ポイントとなりました。2016年年始にあった資源価格の急落に伴い、資源国の株価は大きく値下がりしたことが痛手となりました。
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(出所:全てブルームバーグ)
五輪開催よりも世界の経済動向に左右される平均株価?
こうしてみると、五輪開催以後も景気が上向いて株価が上昇したのはオーストラリアぐらいです。他国は、すべてITバブル崩壊やリーマンショックの影響を色濃く受けていることが分かります。つまり、五輪開催による経済成長はある程度は見込めるものの、世界的な景気変動や株の暴落には五輪といえども抵抗できないと考えていいようです。

こうした背景には、金融市場がヘッジファンドなどのリスクマネーによって大きく動いているために、バブル崩壊のような変動幅の大きな相場になった場合グローバルな投資資金は一斉に米ドルや円などの安全資産に逃避する傾向があるからと言っていいでしょう。

問題は、2020年の東京五輪まで株価は上昇するのかどうかですが、結論を言えば世界経済の動向次第と言っていいかもしれません。世界的に何も起こらなければ、アベノミクスによる量的緩和や円安政策、そして東京五輪という特需があるため企業業績が向上する可能性があります。

五輪のような経済イベントは、ある意味で需要の先取りになります。五輪開催決定以降、一度は好景気に沸くものの通常は2年程度で景気減速がみられるケースが多いようです。開催直前になってテレビの売り上げ増加など一部個人消費の向上が見られる場合もありますが、経済全体からすれば微々たるもの。五輪というイベントの過大評価は禁物かもしれません。


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