国債利回りが低下する2つの大きな要因
 まず1つめは、国債の需要が高いことです。国債の需要が高まれば債券価格は上がり、利回りは下がりますし、逆に需要が下がれば債券価格は下がり、利回りは上がります。現状、日本銀行(日銀)は民間銀行などから年間80兆円規模で国債を買い入れており、日銀から民間銀行に支払われる代金によって通貨の流通量を増やすことで景気浮揚、デフレ脱却に向けた舵取りをしています。さらに民間銀行は、膨大な資金を運用する必要があるなど、債券市場はこうした需給要因によって債券価格の高止まり状態となり、国債利回りは上がりにくくなっています。

 2つめが消費者物価指数の低迷です。直近11月の消費者物価指数は前年同月比+0.1%と、日銀が目標としている消費者物価指数2%ははるか彼方となっています。

 国債利回りは、物価上昇率(インフレ率)と密接な関係にあります。一般的には10年物国債利回りを長期金利と呼びますが、長期金利は理論的には「期待インフレ率+潜在成長率(自然成長率)」で決まると言われており、期待インフレ率が高まれば長期金利も上がる関係にあります。

 現状では、期待インフレ率は0%から0.3%程度、潜在成長率は0.5%程度とともに低く、これが長期金利の低迷、つまりは国債利回りの低迷をもたらしています。

金利が上がれば債券価格は安く、金利が下がれば債券価格は高くなる
 国債利回りは現在、日銀による国債買い付けと消費者物価指数の低迷により低下傾向にありますが、それでも定期預金などの金利よりは高く、国が発行するため信用リスクがほぼゼロに近いといった点が魅力です。

 購入する際に判断すべきポイントは、「金利が今後どうなると考えるか」ということです。なぜなら、金利が上がれば債券価格は下がりますし、逆に金利が下がれば債券価格が上がるからです。

 ここで改めて「金利と債券価格の関係」をおさらいしましょう。

国債には、発行された時点の金利を反映した利率が記されています。
例えば、いま保有している国債の利率が0.5%だとします。これから金利が上がったとすると、これから発行される国債の利率は0.5%よりも高くなります。すると保有している国債を売って新しい国債を買おうとする動きが出るでしょう。こうして『金利が上昇すると、債券は売られて債券価格は下落する』という関係が成立します。

 逆に金利が下がった場合、新しく発行される国債の利率も低くなりますので、既に発行されている高い利率の国債を買う人が増えるでしょう。先ほどとは逆の『金利が下落すると、債券は買われて債券価格は上昇する』という関係が成立します。
 
 国債投資をする際には将来の金利がどのように推移するのかをイメージし、金利の変化に応じて債券価格がどのように変化するのか理解することが重要です。

金利上昇が考えづらい中での投資戦略
 冒頭に述べた要因などにより、現在の低金利状態はしばらく続くと思われます。そのような環境での国債投資ではやはり、比較的高い利率が設定される中長期債(5年満期や10年満期)を中心に運用すべきでしょう。

その際、将来の金利をどのように予想するかによって、その割合を変えることも忘れないでください。

 例えば、「当面は低金利が続くけれども、5年後の2020年東京オリンピックくらいから金利は上昇するかもしれない」と予想するのであれば、5年の国債を中心にして、残りを10年の国債で運用する、という投資戦略がおススメです。

さらに、予想に反して長期金利が上がる可能性もありますので、その場合は長期になるほど債券の価格は下落してしまいます。
いずれにしても、将来の金利を予想しながら期間や利率などをバランスよく分散して投資することが必要な戦略といえるでしょう。


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