竹田和平とは何者か?和製バフェットに学ぶ偉大な投資思想
2016年7月21日、著名投資家である竹田和平氏の訃報が届きました。
竹田和平氏の投資法や思想に、多くの投資家たちや経営者たちは感銘を受けてきたといいます。今回は、この竹田製菓の創業者であり代表でもある、竹田和平氏についてお話ししていきたいと思います。
私たちにとって身近な商品の名称は良くわかっているものの、それらを製造したり販売したりしている企業のことはあまりよく知らないという方も少なくないでしょう。ことに、創業者の名前ともなるとさっぱりわからないという方がほとんどです。
赤ちゃんのころに、一度は口にしたことがあるであろう「タマゴボーロ」。
優しい味と口の中でほろりと崩れていくあの食感に懐かしさを感じる方もいらっしゃることでしょう。あのタマゴボーロを製造販売している、竹田製菓の代表取締役、竹田和平氏もその一人ではないでしょうか。
竹田和平とは一体何者?
竹田和平氏は、先ほども触れたとおり、タマゴボーロで有名な竹田製菓の代表取締役です。1933年、愛知県名古屋市で生まれ育ちました。幼少期には戦争を経験し、穏やかながらも情熱のある思想を持っている方でした。
竹田和平氏は、竹田製菓という会社を経営しながら、自らも株の投資を行う、大投資家でもありました。彼が保有する銘柄は優に100を超え、その時価総額は200億円を超えるとさえいわれています。まさに億万長者ですね。
和製バフェットとの異名までついている
もちろん、勘や賭けで銘柄を選んでいたというわけではありません。しっかりとした思想に基づいて、先を見越して買うからこそ、巨額な株式資産を築き上げていけるのです。その投資思想や経営に対する考え方に、和製ウォーレン・バフェットの異名さえ持っていたほどなのです。
竹田和平氏の投資思想や哲学
著名投資家としても、例年上位に名前が挙がっていた竹田和平氏。彼の投資思想を知って、あやかりたいと考えている人も少なくないでしょう。ファンダメンタルズ分析をメインとしていますが、数字や動向だけではなく会社そのものをみていることが、竹田氏の発言からも良く読み取ることができます。
銘柄を扱う企業や会社の発展や業績向上を、心から応援したくなるような所であることが重要だとも話しているのです。また、「上がったら良し、下がっても良しの株価かな。」といったゆるりとしたたたずまいで、決して夢をみて投資をしてはいけないと、やんわりと投資の姿勢についても述べています。
竹田和平氏はどのような基準で銘柄を選んでいたのか?
投資家として気になるのは、やはりどのような基準で銘柄を選び抜いているかという点ではないでしょうか。彼の投資手法には、一定の基準があるとしています。もちろん、これに限ったことではないかとは思いますが、参考になるでしょう。
・PERが業界の平均よりも低い会社である
・PBRの値(株価純資産倍率)が1以下であることが評価基準
・株主資本比率が50%以上である
・銘柄の選別は情報を搾って「会社四季報」1本のみ
簡単に言えば、自己資本比率が高くて配当性向が高い銘柄を選び、なおかつそれらが割安な時にだけ手を出すということになるのでしょう。もちろん、そう簡単に言えるほどシンプルなものではないでしょう。しかし、竹田和平氏のこの投資思想は不安定な相場の時こそ、多くの投資家にとっても指標となることでしょう。
ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。