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アクティブ運用とパッシブ運用、結局どっちが有利なのだろうか。

2016/07/14

資産運用には、様々な運用方法が存在するため、投資家を悩ませます。

投資家の間で長きに渡って続いているのが「アクティブ運用とパッシブ運用のどちらが有利か」という議論です。本稿では世間ではあまりクローズアップされない「パッシブ運用の弱点」「アクティブ運用の利点」について考えます。

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一般的な評価は「アクティブ運用は効率が悪い」という流れに

弊社ではお客様から様々な運用相談を受けるのですが、直近1~2年で増えたと感じる質問が、本稿の議題であるアクティブ運用とパッシブ運用についての相談です。

筆者がお客様に運用の提案を、アクティブ運用の投資信託で行ったところ、「アクティブ運用=金融機関の手数料稼ぎ」「賢明な投資家はパッシブ運用をする」と取り付く縞のなかった経験もありました。

最近は「アクティブ運用=悪」という論調が多いのですが、それは本当なのでしょう?またなぜアクティブ運用は敬遠されるのでしょうか?そしてパッシブ運用に弱点は無いのでしょうか?
これらの疑問を解決することが本稿の目的になります。長いコラムになりますので、筆者の考える結論を先に申し上げますと

・ごく少数の良い運用商品を選択すれば、アクティブ運用の方がパッシブ運用よりも優れた成果を期待できる
・パッシブ運用は、相場がピークを付けた後に流行する傾向がある(いわゆる高値掴みに注意が必要)
・「アクティブ運用かパッシブ運用」という議論よりも、「早く始めて時間を味方につける」ことの方が大切

と考えています。
それではまずアクティブ運用とパッシブ運用の違いや、それぞれの長所や短所を確認しましょう。

アクティブ運用とパッシブ運用とは(それぞれの長所/短所)

パッシブ運用とは、特定の指数(インデックス)に連動する投資成果を目指す運用手法です。特定の指数を「ベンチマーク」という運用の目標にして、ベンチマークが上がれば同じだけ上昇し、下がれば同じだけ下落するように運用することを目的とします。

例えば日経平均株価という指数をベンチマークにするなら、日経平均株価が1%上がれば、自分の保有している商品も1%上がる、というように市場と同じように動くことを目指すのです。そのことにより、市場全体の平均的な収益を上げることが出来ます。

パッシブ運用の利点は
①低コスト
②分散投資
③透明性

パッシブ運用の悪い点は
①市場全体のリスク
②完全にインデックスに連動はしない(コスト トラッキングエラー 特に残高の少ないものに注意)
③パッシブ運用は「大企業株価指数」である

パッシブ運用が大企業株価指数だというのはどういう意味でしょうか?次のグラフをご覧ください。

ITバブルの時にTOPIX(東証株価指数)で運用を開始していたら2013年6月末まででマイナス34.2%になっています。しかし同期間に2/3の銘柄は株価が上昇しています。更に1/3の銘柄は株価が二倍以上に上昇しています。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは多くのインデックスは大企業の株価の影響を受けやすいからです。

具体例を見て見ましょう。
パッシブ運用は、機械的に対象指数のウエートに合わせて株の保有量を調整しています。次の表は2000年9月時点と2016年5月時点の日経平均株価を構成する225社の構成ウエート(上位10位)です。

パッシブ運用は決められた方法で構成ウエートを算出し、その構成ウエート通りに株を売買します。ですからバブルで異常な高値になろうと株を買う、ということも行うのです。

2000年はITバブルで、ハイテク企業の株価が異常に高騰しました。そのためパッシブ運用では機械的に、(結果的に割高だった)ハイテク株を多く保有しました。その結果、今では当時の構成ウエート上位10位のうちファナック1銘柄を除き、大きく下落しています。

現在、構成ウエートの大きい銘柄は逆に2000年以降大幅に株価が上昇した銘柄が多くなります。
このことからパッシブ運用は高くなった銘柄を多く保有する、という投資スタイルになってしまいます。投資とは本来割安な銘柄を買って、高くなれば売却する事が基本ですが、パッシブ運用はそうした運用は行わないのです。

もしかしたら2030年頃の投資家は「2016年の投資家はよくこんな高値でファーストリテイリングの株を買ったね」と言っているのかもしれません。
また、パッシブ運用はリスクを回避する努力をしません。例えば、日経平均株価が大きく下がると考えていても、ファンドマネージャーが投資家の資産を守る、といった行動をすることはありません。ですからパッシブ運用は「相場次第」の運用と言えます。

それに対してアクティブ運用とは・・・
それに対してアクティブ運用とは市場平均(ベンチマーク)以上の運用成績を収めることを目指した運用方法です。

アクティブ運用にはファンドマネージャーが存在し、今後上昇しそうな銘柄を選択して投資をします。また、ファンドマネージャーはこれから相場が下落すると考えるならば損失の可能性を最小限にとどめるためにポートフォリオの調整を行うこともあります。

アクティブ運用の利点は
①市場インデックスを上回るリターンを実現できる可能性がある
②ファンドマネージャーが相場下落時に資産を守ってくれる(例えば、ファンドマネージャーが相場下落を想定してファンド内の現金比率を高めたり、ロングショート戦略やリスクパリティ戦略などを使ったりして、相場下落時に顧客の資産を減らさないことを目指す運用方法があります)
(詳しくは→大きな下落相場を乗り切る運用戦略とは

アクティブ運用の悪い点は
①コストが高い
②ファンドマネージャーの手腕が実績に大きく左右する
③ほとんどのアクティブファンドは長期ではインデックスに勝てない
④信託期間が存在するものが多い
⑤運用目標を「ベンチマークと比較してどうだったか」としているファンドが多く存在する。(そのため、例え運用成績がマイナスであっても、インデックスが-10%だったところをアクティブファンドが-5%の成績であれば「良いアクティブファンド」という評価になる)

(ファイナンシャルスタンダードでは、投資信託の運用方法を「パッシブ運用」と「アクティブ運用」という分類をしていません。個人投資家にとって、投資の目的はインデックスに勝つことではなく、プラスの収益を得ることだと考えているからです。そのため弊社では投資の運用方法を「絶対収益型」と「テーマ型(相対収益型)」という2つに区別をしています)
詳しくは→あなたの投資信託選びは大丈夫ですか?

パッシブ運用と言っても、最近は色々な選択肢がある

パッシブ運用を行うために具体的に何を購入すればいいかというと、「ETF」や「インデックス投信」になります。

パッシブ運用の対象となるインデックスには多くの種類があります。(ただし、売買代金や純資産残高が小さい商品も多く存在しますのでご注意ください)
東証に上場しているETFでも日本株に投資するものでは、TOPIXや日経平均株価を対象にするものがあります。他にはJPX日経400に連動するETFや、東証銀行業株価指数などの一業種の指数に連動するものもあります。

近年では日経平均株価の変動の2倍の値動きをするように設計されている「レバレッジ型」と言われるETFが連日のように東証の売買代金トップになっています。その他には日経などの指数の変動の反対の動き(マイナス1倍・マイナス2倍など)の値動きをする「インバース型」もあります。

連動させる指数が日本株以外のETFも多く存在します。米国のS&P500に連動するもの、中国A株に連動するもの、ゴールドやガソリン価格に連動するものがあります。
http://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01.html
東証だけでこれだけの商品があり、ニューヨークなどの海外市場に上場するETFや、インデックスファンド(ETFではない投資信託)も合計すると商品数は膨大になります。

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