信頼と出向が支える、
顧問先支援の拡張モデル
— IFA連携により、資産提案を
組織力へと進化させる取り組み―

  • 税理士法人古田土会計
    代表社員 鈴木 知朗様
  • 所在地
    東京都江戸川区

税理士法人古田土会計は、「日本中の中小企業を元気にする。」をコンセプトに掲げ、多くの企業の経営をサポートしています。
インフレや事業承継といった複雑な課題に直面する中小企業の顧問先に対し、税務・財務にとどまらない包括的なサポート実現のために取り組んでいるのが、資産運用アドバイスのプロである独立系ファイナンシャルアドバイザー、ファイナンシャルスタンダードとのIFA連携です。
そして2026年からはさらに一歩踏み込み、ファイナンシャルスタンダードの担当者が「出向」する形での連携を始めました。
ファイナンシャルスタンダードとの連携により、中小企業への価値提供はどのように変化したのか、取り組みの背景や成果について、税理士法人古田土会計の代表社員、鈴木知朗様に、詳しくお話を伺いました。

  • ファイナンシャルスタンダードの「長期・分散」という投資に対する考え方に共感し、税理士の立場からも安心して連携できると確信した。
  • IFA連携によって、税務だけではなく、資産運用や事業承継まで含めた本質的な相談に応えられるようになった。さらにはファイナンシャルスタンダードからの出向を受け入れたことで、社員の金融リテラシーも向上した。

税務の枠を超え、インフレ時代に求められる新たな価値提供へ

─はじめに、貴所の特徴と、これまでの顧問先様への支援方針についてお聞かせください。

鈴木様:
私たちの顧問先の多くは、社員が20〜30人程度の中小企業です。都心のど真ん中ではなく、東京・江戸川区の葛西に事務所を構えているのも、例えば建設業の方などが、わざわざスーツに着替えなくても作業着のまま来やすい場所、というのが理由です。

私たちが大切にしているのは、「いかに利益を出すか、節税するか」ということではなく、「何のために仕事をするのか」という企業の根幹を問う姿勢です。月次決算も資料を送付して終わりではなく、毎月お客様と直接対話をし、1時間半から2時間かけてご説明するようにしています。そうした活動を通じて、「いい会社を作りたい」という経営者の皆様をサポートしたいと考えています。

─どのようなきっかけで、ファイナンシャルスタンダードとのIFA連携を始めたのでしょうか。

鈴木様:
初めてお会いしたのは10年近く前のM&Aの勉強会でした。そのときは名刺交換をしてお話しただけで終わっていたのですが、M&Aをお手伝いする際、株式を現金に変えたお客様から「この現金をどうしたらいいか」というご相談を受け、以前から存じ上げていたファイナンシャルスタンダードさんのことを思い出し、今から5〜6年ほど前からご紹介を始めたのが直接のきっかけです。

─最初はご紹介、という形だったんですね。

鈴木様:
そうですね。以前は資産を「運用する」という発想が、そもそも頭になく、私たちは30年近く「キャッシュフロー経営」を掲げ、とにかく現金を蓄えましょう、とお伝えしてきました。
しかし、昨今のインフレなどによって、現金をただ貯めているだけでは、その価値がどんどん目減りしてしまう、このままではお客様の資産を守れないという強い危機感を抱くようになりました。顧問先の将来を考えたとき、税務の知識だけでは不十分だと感じ、単なる紹介にとどまらず、IFAとの本格的な連携へと踏み切ることにしました。

不安を信頼に変えた「長期・分散」という投資哲学

─以前からご存じだったとはいえ、最初に顧問先に紹介する際に、不安はありませんでしたか?

鈴木様:
はい、やはりありました。長年「お金を貯めましょう」と言い続けてきた私たちが、「お金を運用しましょう」という会社を紹介していいものか、正直なところ少し逡巡しました。しかし、ファイナンシャルスタンダードの皆さんは、私たちにはない深い視点を持つ資産運用アドバイスの専門家です。まずはお願いしてみようと。
ご紹介を始めると、顧問先様の反応が非常に良かったんです。「これなら大丈夫だ」と、まとまった金額の運用を始められる方が続き、少しずつ手応えを感じていきました。

─最終的に「これなら大丈夫だ」と確信できたのはどのような点でしたか。

鈴木様:
一番は、ファイナンシャルスタンダードさんの投資哲学ですね。共同でセミナーなどを開催することも多かったのですが、その中でお話を繰り返し聞いて、一発儲けようという"投機"ではなく、しっかりとお金を育てていく"投資"という考えを知り、信頼できると感じました。

"長期・分散投資"を基本とし、感情に左右されない資産形成を目指す。その考え方は、顧問先の資産を堅実に守り、増やしていきたい私たちの思いとも一致します。話を聞くうちに、お客様に勧めるだけでなく「自分たち自身もやりたい」と心から思えたのが大きかったですね。これなら税理士という立場からも、自信を持ってお客様にご紹介できると確信しました。
そうした信頼が積み重なり、単なる紹介にとどまらず、IFA連携へと関係性を深めていきました。

出向連携で社員の金融リテラシーが向上、全体の提案力の底上げに

─連携を深める中で、単なる紹介に留まらず「出向による連携」を始められました。どのような経緯があったのでしょうか。

鈴木様:
IFA連携を始めて1年ほど経った頃、ファイナンシャルスタンダードさんから提案があったんです。その頃には、セミナーを開催しても半数以上の方が具体的な相談に進まれるなど、お客様のニーズが高いことは明らかでした。
ただ、セミナーのような形式だと、どうしても情報が届く範囲に限りがあります。私たちは毎月経営者様と1対1でお会いしているわけですから、担当者自身がその場で直接お伝えできた方が、ずっと効率的で早い。そのための体制強化が必要だと感じていた矢先のご提案でした。
まさに二つ返事で「お願いします」とお受けして、2026年度から、ファイナンシャルスタンダードの方が定期的に事務所に出社し、業務に携わっています。

─外部の方が中に入ることに、懸念などはありませんでしたか?

鈴木様:
そこは、時間をかけてじっくりと関係を築いてきた信頼があったので、心配ありませんでした。セミナーなどを通じて、いろいろな社員の方とお会いしましたが、皆さん同じ方向を向いて価値観を共有しているということが伝わってきました。
これなら、より強固な関係でご一緒しても大丈夫だろうと安心してお願いしました。

─出向による連携を始めたことで、具体的にどのような変化がありましたか?

鈴木様:
はい、一番大きいのは、社員が金融に関する話を気軽に資産運用アドバイスの専門家に聞けるようになったことですね。以前は、お客様から深い質問をされると一度持ち帰り、そこからまた『ファイナンシャルスタンダード』さんに連絡して…と時間がかかっていました。今では専門家に相談しやすい環境があるため、担当者がその場で疑問を解消し、自分の中でしっかり消化した上で、お客様に一通りのご説明ができるようになったんです。
資産運用アドバイスの専門家一人がすべてのお客様を回るよりも、私たちの担当者全員が一次対応できるようになった方が、圧倒的にスピードが速くなります。もちろん、より踏み込んだ提案が必要な場合には、専門家とも連携しながら柔軟に対応できるようになりました。結果として、事務所全体の提案力が底上げされたと感じています。

─顧問先様との関係性にも変化はありましたか?

鈴木様:
はい、ありましたね。これをきっかけに、ご相談いただく内容の幅が大きく広がりました。これまでは会社の税務や財務の話が中心でしたが、社長個人の資産、さらにはご両親の相続の話へと発展するケースが増えたんです。
もともと私たちは顧問契約が基本なので、お客様との関係は継続的なものです。しかし、IFAとの連携を深めたことで、関わる「人」の範囲が格段に広がりました。社員も、相続など専門外の質問を受けても「ファイナンシャルスタンダードさんに聞けば大丈夫」という安心感があるので、臆することなく話を広げられるようになりましたね。「会計事務所って、こんなことまで相談していいんだ」という認識が、お客様にも広がってきたという手応えを感じています。

「資産を守り育てる」サポートで、中小企業の未来を創る

─中小企業にとって、金融面でサポートを受けることや資産形成はどのような重要性を持つとお考えですか?

鈴木様:
お伝えしたように、私たちのお客様は、年商3億円から5億円規模で、社員数が20〜30人という中小企業がボリュームゾーンです。この規模になると、事業承継や相続が非常に現実的な課題として浮上してきます。ところが、「まだ大丈夫」と考え準備をせず、いざとなって慌てる企業が多いのが実情です。

そこで私たちは、金融の知識を活かした提案をしています。例えば、「持ち株会社を設立し、ご自身はそちらの社長に就任する。事業会社の社長は後継者へ引き継ぎ、退職金を活用して個人資産を形成する――その個人資産を運用して、来るべき相続に備えましょう」と。この流れが描けるのは、ファイナンシャルスタンダードさんとの連携があるからこそです。ただ税金を減らすのではなく、資産を育てながら納税資金を確保するという、より建設的な選択肢を提示できるようになりました。

─今後の税理士業界を考えたとき、IFA連携のような取り組みは不可欠になっていくと思われますか?

鈴木様:
はい、もはや必須だと感じています。単なる税金の計算業務は、AIに代替される領域が今後ますます広がっていくでしょう。そうした状況の中でも、私たちが提供できる付加価値は何か。それは、お客様の大切な資産を「守り、育てる」ことだと思います。

税金の心配が必要ない赤字企業が6割を占める一方で、事業は順調でも承継問題で悩む企業はたくさんあります。非上場株式は簡単に現金化できないため、相続時に後継者が数億円の借金を背負うケースも珍しくありません。そうした事態を避けるためにも、計画的な資産形成のサポートは、私たち税理士が担うべき重要な役割です。

─最後に、今後の展望についてお聞かせください。

鈴木様:
まずは、新入社員も含めて全社員が金融に関する基本的な知識を持ち、お客様に適切なご提案ができる体制を盤石にしていきたいと考えています。特定の誰かに依存する"属人化"から脱却し、組織としてお客様を支えられる体制を築くことが理想です。

そして、資産運用だけでなく、不動産や保険といった多様な選択肢を、お客様一人ひとりの財務状況を深く理解した私たちがハブとなり、最適な専門家と連携しながらワンストップで提案できる。顧問先企業の未来をともに創るパートナーであり続けたいと考えています。

ご相談・お問い合わせ