富裕層が活用する「日本版プライベートバンキング」を解説

2020/06/26

銀行に求められる融資や投資などの業務の枠を超えて、顧客ごとにカスタマイズされた個別対応のサポートを行うプライベートバンクが今、注目されています。

これまで日本ではプライベートバンキングという文化は十分に育たず、外資系の金融機関による進出と撤退が繰り返されてきました。

しかし、手数料無料化などのネットバンクの勢いに押された大手銀行を中心として、プライベートバンク部門の機能強化に本腰を入れはじめています。

すでに日本の富裕層にも活用事例が増えてきた「日本版プライベートバンキング」について解説します。

PB資格で見るプライベートバンカーの役割

プライベートバンクが育たない中でも、日本の金融機関はプライベートバンク機能を持つための準備だけは整えてきました。

銀行や証券会社、資産運用会社などで組織される日本証券アナリスト協会には、プライベートバンカーを育成するための資格として「プライベートバンカー資格」を設けています。

業界団体が設立した資格制度の内容を見ることで、日本版プライベートバンキングが目指そうとしている役割を知ることができます。

 

税務 / 富裕層が抱える税に関する悩みを解決

総中流社会であることが特徴だった日本では、現在の格差が広がった社会構造における税の体系が十分に整っておらず、富裕層にとっては極めて不利な税制です。

税制優遇を実施することによって富裕者の獲得競争を行っている諸外国と比べると、日本の税負担の厳しさが際立つ状況になっています。

それでも日本の富裕者にとって海外移住のハードルは高いため、日本の居住権を維持し、日本で納税することを選択する傾向が極めて強いのが実情です。

海外のプライベートバンクでは、居住地だけでなく国籍の変更さえも節税のための提案のひとつに含まれますが、日本版プライベートバンキングでは日本の税制に則した範囲内での提案が行われます。

”無知への罰金”とも呼ばれる税金に対して、富裕層の個々の収入形態に応じたカスタマイズされた節税提案を行うのがプライベートバンカーの役割だと言えます。

 

後継者 / 経営者たちの最大の悩みを解決

少子高齢化によって若者の絶対数が減少するなか、主に中小企業では後継者不足という悩みを持っています。

IT技術が急速に進化している現代においては、経営の若返りが求められており、また自ら育てた事業を継承する人材が必要であると多くの経営者が感じています。

富裕層には企業経営者が数多く含まれていますので、後継者不足への対応についてもプライベートバンキングが解決策を提示する役割を担います。

後継者となる人材そのものを見つけてくるために金融機関のネットワークを用いることに加えて、事業継承を行う上での経営者が持つ自社株の移動や現金化、さらには継承後の会社への融資を含めた仕組みの提案などが業務の範囲となります。

現代においては経営と金融が密接に関わりを持っているため、プライベートバンカーが金融的な側面から経営者をサポートすることで後継者不足への最適解が見つけられます。

若者と高齢者の世代間ギャップを埋めるという点においても、日本版プライベートバンキングに求められる役割は大きいです。

 

金融知識 / 自社商品に留まらない金融の提案

富裕層だけに提案される良質な金融商品や、最低投資額が高額であるがゆえにハイリターンの金融商品に関する知識を持っていることも、プライベートバンカーの特徴です。

株式の個別銘柄や、定期預金などの世間一般で取り扱われている商品ではなく、金融機関のネットワークや知識を活かした投資提案が行われます

日本版プライベートバンカーまとめ

税金、後継者、金融知識という三大テーマを中心として日本の富裕層に向けたプライベートバンカー機能が充実してきています。

すでに日本の大手銀行などにはプライベートバンキング部門が設置されており、富裕層による活用事例も増えてきています。

大衆向けの一般的な銀行サービスでは対応できないような大きく深い問題の解決のためには、プライベートバンカーに期待するべきことが多いです。

ほとんど公に情報が出てこないプライベートバンカーの動きですが、富裕層にとってはチェックしておかなければならない存在なのかもしれません。

 

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