次なる税制優遇制度か。米国の「529プラン」とは

2020/02/20

親の収入や社会的ステータスが、子供の学力や最終学歴に大きく影響を与えるとの議論は、日本でも多くの人たちが興味を持っているテーマです。

東京大学や京都大学など大学ランキングの上位を国立大学が占める日本とは違い、ハーバード大学やスタンフォード大学など私立大学が上位を独占しているアメリカでは、子供の学費に対する関心度がさらに高いです。

529プランは、正式名称を「内国歳入法529条」というアメリカ政府が定めている学資積み立てのためだけに設けられた公的貯蓄制度です。

積み立てた資金を学資以外の目的で使用した場合には10%のペナルティがあるなど、使途を学資に限定した制度である529プランですが、現地アメリカでは税制優遇制度として人気があります。

どうして学資のための公的学資制度が税制優遇制度として人気となっているのか、529プランの制度について中身を見てみましょう。

529プランの貯蓄制度の仕組みと使途

529プランは、将来に学校に通って学ぶことになる子供の名義で積み立てられます。年齢に制限はありませんので生まれたばかりの0歳児の赤ちゃんの名義での貯蓄を開始することも可能です。

以前は大学や専門学校などの高校卒業後の教育課程に進学した場合のみに限定されていましたが、現在では中学校や高校の学費などであっても529プランで積み立てた資金を使用することができます。

積み立てられた資金の使途についてもう少し詳しく見てみると、学校に対して支払われる学費以外であっても、テキスト代や教材費、家賃や食費などの生活費であってもペナルティを受けることなく積み立て金を使用することができます。

つまり、将来的に発生する学資を、子供が幼少期の段階から積み立てることができ、授業料だけに限定せず学生時代の生活費にも使用することができるのが529プランです。

529プランの税制優遇1:所得控除

どうして529プランが税制優遇制度として人気なのかを知るためには、制度の成り立ちや将来的な使途ではなく、積み立てを続けている期間に注目する必要があります。

まず、529プランに積み立てた金額については、州税で所得控除の対象となります。

アメリカ政府によって定められている制度ではありますが、529プランを管轄しているのは各州(およびワシントンDC)で、州ごとに所得控除の限度額や仕組みが異なります。

例えば、529プランの発祥地だと言われているミシガン州の場合には、積み立て者が1人の場合には年間5000ドル、複数で共同して積み立てる場合には年間1万ドルまでが所得控除の対象となります。

また、所得控除の厚い州として名前が挙がるオクラホマ州では、1人での積み立てで年間1万ドル、共同では2万ドルとなっています。

さらに、ここまでにご紹介した年間の控除額は、将来的に学資を使用する529プランの名義人となっている子供ひとり当たりのものですので、もし積み立てを行う子供が3人いる場合には所得控除の限度額は単純に3倍となります。

積み立て者については、子供との関係性について制限がありませんので、自身の子供だけではなく孫を対象とした積み立ても可能ですし、さらには血縁のない子供を対象とした529プランの支払いも制度的には可能です。

529プランの税制優遇:運用益の課税延期

月々や一括などの方法で積み立てられた529プランの資金は、401kなどと同じように投資信託を中心としたファンドで長期の運用が行われます。

将来の学資としての使途に限定しているため、毎年の分配金は出されず、運用による利益は全て再投資されます。毎年の配当がありませんので、年次での運用益への課税はありません。

そして、当初の予定通りに積み立てられた資金が学資として使用された場合には、この長期の運用による利益が非課税となります。

529プランのまとめ:驚くべき柔軟性

年々上昇を続けているアメリカの大学の授業料への不安を和らげ、長期的な資産運用を提供することを目的とした529プランは、税制優遇制度として人気が高い公的貯蓄制度です。

しかし、0歳児の段階から子供名義で積み立てることができる長期の資産運用であるため、「もしも子供が進学しないと言って就職してしまったらどうなるのだろう?」と不安になる両親もいることでしょう。

実は529プランは、特定の子供の名義で積み立てが行われますが、本人が学資の支払いの対象となるような進路を進まなかった場合には、兄弟などに名義変更することを認めています。

つまり、名義人が学資を使用しないのであれば、例えば弟や妹などの進学時の学費の支払いに使用することが可能ですし、積み立て者であった両親が定年後に大学に通うということになれば、その学資として使用することさえできるのです。

学資として引き出さなければペナルティが発生するというデメリットがあるものの、所得税控除や運用益の非課税などの税制メリット、そして名義人変更の柔軟性が相まって、529プランは税制優遇制度として人気を博しているのです。

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